タイトルなき悲しい旅の記録⑩
これはタイトルなき悲しい
旅の記録である。
ただその記録は残念ながら
途中で途絶えた。
帰国ルート。
シンガポール・クアラルンプール・
香港・台湾・ソウル・プサン経由など
代案をやまほど考えた。
その1つ以遠権フライトの代表作。
思い切ってこんなことでも
してやろうかとか。
香港の行きつけの
重慶マンションで1泊
して帰ってやろうか。
等々。
色々考えた。
悩みぬいて
総合的に判断した
ベストルート
がこれ。まずはエアマカオで
いくマカオ
午前便。
フルキャリアで
12000円。
失われた時は、取り戻せない。
しかし失われた金は、取り戻せる。
かもしれないという感情が
ふつふつと沸き起こる。
行先を見失った旅は
新たなルートに変わる。
ではマカオから
先はどうするか。
同日夜に香港を
出る格安便
を発見。
香港を21時過ぎ
出発深夜2時に関空へ着く
ジェットスタージャパン便。
エアマカオに続いて
前日で9000円
という国際線。
良心的価格
といっていいだろう。
諸税が4000円も
含まれているのだから。
マカオ・香港の
交通事情は知れている。
同日でもターボジェットで
十分乗り継げる。
マカオ=カジノに関しては
短期決戦で十分やれる。
香港・マカオの
滞在時間は
6時間程度。
どこぞの国の入国管理局の
横暴判定からしたらこっちの
ほうが遥かに怪しい。
バンコク・パヤタイの
行きつけの宿を延泊
潜伏して丸一日。
やっと答えがでる。
結果帰国にかかった
飛行機代は2万円少々。
前日の予約にしては、
経由を前向きに考えれば
妥当との判断を下す。
やっとの思いで
外出する。
海外で丸一日帰国手段を
考えることなんて
未だかつてない。
夜のバンコクは活力がある。
そしてなぜかまだ
バイヨークスカイホテルの
ふもとにいる。
市場路地裏の店は19時ごろ
店じまいを始めている。
なんとか100バーツを
パンツを仕入れる。
日本のどこかの街の風景といっても
あまり違和感はないアジアは1つ。
伊勢丹前のテントで
フードフェスタの盛り上がり。
と思ったらいきなり交通規制、
キングダム臭の漂う
雰囲気に変わる。
行き詰ったとき、困ったときは
異国の神でも神頼み。
しかないのかもしれない。
しばしたたずむ。
近所のレストランで麺をすすって
まさかのバンコクに2泊滞在
最後の夜更けていく。
続く。